2012年7月29日日曜日

『八犬伝』の歌詞を書くために館山にきています!

館山にいます!

『八犬伝』づけです。
馬琴は、沢山の裏テーマを隠して、
この物語を書いたんじゃないかな、と思います。





八房は白い犬で、
八つの牡丹の花のような黒い柄がありました。

牡丹の花は、獅子の力を封じ込める力があるといいます。
獅子身中の虫 の言葉通り獅子にも弱点があり、
それが身体に巣食うと命をも落とすという虫がいるというのです。
その虫が、牡丹の香りを好まないため獅子は夜になると
牡丹の花を求めてその夜露にあたるところで眠るのです。
獅子は牡丹の花の元でしづまり安住するのです。

普通、犬は多産の象徴的な動物であるにもかかわらず、
八房という犬は一匹で産まれてきました。
母を玉梓の化身である狼に襲われ、孤児となったものを
同じく玉梓の呪術化身である山の狸に乳をもらいすくすく育ちました。

どうして、八房には獅子封じの牡丹の柄があったのでしょう。
きっと、死の間際に母犬の祈りが残した跡だったんじゃないかと
思うのです。親は、いつも子供の身代わりになってでも子供を生かそうとするものです。神仏のご加護がきっとあったのだと思うのです。
狼という獅子から親犬が八房守るために…残した祈り、それが牡丹。

その牡丹は、八房が、玉梓の怨念によって呪術され
伏姫を貰い受けて富山の洞窟へ姫をともなって籠る時にも共にありました。



伏姫の日々の読経によって八房にかけられた呪もほどけ、
御印となっていた姫の数珠の文字も呪い文字から
以前の通りの『仁義礼智忠信孝悌』に戻った、もでした。



伏姫ろ八房は入水しとうと…洞窟を出た時に
伏姫の許嫁 大輔によって霧中、八房の流れ弾に伏姫もまた撃たれます。

その時、乙女でありながらお腹が膨らんでいた伏姫は
身の潔白を証明するために自分のお腹に護り刀をつきたて
一文字に斬り裂きます…。

すると、どうでしょう。白い気が浮かび上がり
伏姫の数珠を包んだかと思うと、その紐から八つの玉が空中にのぼり…
流れ星のように玉が流れきらめき舞うと
パッと散って散りじりに消え去ったのです。
その玉こそが八犬士であり、八犬士の兆し。

その八犬士の身に残されるしるしとして…牡丹の痣が生まれました。

気としての感応ではありますが、父性的な存在としての八房が
命の代わりに残していった牡丹の痣。
それは、獅子封じ、玉梓封じの祈りのしるし、なのです。

八つの玉が飛び去ったあと、伏姫の眼前に残ったのは浮世の月ばかり。
伏姫は、身の潔白が証明され、
これは不義の印ではなく神の結びであったのだとしめされました。

「疑いも解けたれば、心にかかる雲もなし。
浮世の月を見残していそぐ…西の空にこそ。導け阿弥陀仏」

そう言いながら、鮮血にまみれた刃を抜き捨てて、ふし倒れるのです。


何度読んでも涙の溢れるシーンです。


今回の舞台『八犬伝』のメインテーマ曲の歌には、
この伏姫が我が子八犬士たちを思い祈る心情を込めたいと思っています。

ようやく、できてきました。
劇場版なので、あとほんの少し、調整してから帰ります。








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