昔の絵巻にも残る「遷御の儀」。

古式のままに、松明の火を消して、
こんな風に、今日、
神さまはお渡りになったのでしょうね。

絹垣の中に、神さまがおられてお渡りになる。
そういう20年に一度の日。
明けて、朝になれば由貴大御饌。

古代の遷御は、神嘗祭の日にやっていたのだから、
祭祀の重責がさらに大きく長くあったのでしょうね。
常若、その蘇り繰り返しによる永遠性の霊威。
神さまが西の御殿である新宮にお越しになって、
はじめての朝がもうすぐやってくる。

昨年末の神嘗祭に奉拝させて頂いた私は、
夜の神宮の浄闇の神秘を肌で感じた。
まさに、「けはひ」。
神の気配がする。
風、玉砂利の音、五十鈴川のせせらぎ。
灯りの一切が消えて...、そこに感じられる何かある厳かな「けはひ」。
昔は旧暦の月の半ば頃に、祭りをするので
満月に近い月が出ていたが、今は10/2という太陽暦に
従って祭祀が行われるので、今日は月が見えない時間。
それこそ、真っ暗闇の中での、お渡りであったでしょう。
持統天皇も、未だ遷宮を続けていることを
嬉しく思われているでしょうね。
それだけの儀式の方法や、作法、律令を残したい偉業が
今、この伝統的な日本文化の継承に繋がっている。

やはり、最初が肝心ですね。
まだまだ、続く神宮祭祀。
常若の道が示されます。
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