私は、真剣の日本刀を手に剱舞をしています。
『静や、月に咲く』という作品を
私、神谷美保子と、戸田朱美、相澤美千子と共にご披露申し上げました。



冒頭、桜月流では師範についで最高位の剱位を持つ
戸田朱美と相澤美千子によるアート作品の美剱からの幕開きとなりました。
戸田朱美は、柔らかさと力強さの共存がその最大の特徴。
身体の構造と運用を熟知した感覚がその剱を際立たせます。

続いて、相澤美千子。
彼女の剱に対する真摯な情熱は、生まれ持った身体性をも大きく変えて
しまうほどの力を有していました。剱の刃に全身の力を乗せて振る
袈裟と斬り上げは男性を凌ぎます。

二人の勇姿。

そして、作品のクライマックスは、『法剣の儀』でした。
私が手にしているのは、室町時代の僧兵のものであったという言われる
日本刀「月の古刀」。
満月の美しい夜、桜の舞い散るにあわせて、
私がはじめて手にして振り染めた真剣です。
『法剣の儀』は、密教の作法。
1999年に七日間の不眠不休の断食行によって免許皆伝を頂戴した
剣祓いで結界をはる作法です。
まず、法剣の唱え言葉を唱えます。
古語であり、非常に厳しい語調の言葉を唱えます。

そして、光の文字をいれ、
九字をきり、不動明王の真言を唱えます。
密教の作法なので、「身・口・意」が極意奥義。
私も、この日のために山籠りをしてからのぞみました。
そして、剱祓い。
抜き胴でひと太刀、斬り祓います。



都会の片隅、ここ天王洲において、
わずか20分でありながら
桜月流/O-Getsu Ryuが「剱とヤマト歌」によって
神秘的な日本の精神性と技を鮮やかに映し出した
ひとときであったと思います。

桜月流/O-Getsu Ryu
『静や、月に咲く』 @ 天王洲テラトリア
出演: 桜月流美剱道 宗家 神谷美保子、 戸田朱美、相澤美千子
音響: 岩野直人
照明: 大澤靖生
舞台要員: 一宮由紀子、吉田理恵
撮影: 牛尾好宏
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