2012年1月18日水曜日

蒸気機関車のメカニズムって、美しい!! SLの映像を観た!

蒸気機関車のDVDを観ました!
私は、あまりの感動で。それを伝えたくて!

それは山田洋次監督が撮影した「復活〜山田洋次・SLを撮る〜」
というドキュメントで、吉永小百合さんの朗読なんです。



冒頭、まず山田洋次監督が編集室みたいなところで
テレビカメラに向かってひとり語りします。

彼はすごく蒸気機関車、SLが大好きなんです。
今まで、1960年代から撮り続けた映画の中で、
度々、蒸気機関車を登場させました。
SLファンなら私がどんなにかマニアかを感じるだろうと。
ご自分でおっしゃっています。
蒸気機関車がなくなる時も、
最後の走行を撮影しに、小樽へ行ったのだそうです。

「何故そんなにSLが好きなのかと聞かれると…、
SLファンが皆そうであるように、なぜかとは答えられない。
どうしてあなたはバラが好きなのかと聞かれて答えられないのと
同じことです。でもあえて答えろと言うなら。その鉄の重量感と、
その仕組み、メカニズムの素晴らしさです。」というような
ことをおっしゃいました。



今も展示されている蒸気機関車があります。
屋外にあったりで、錆いえいるし傷ついています。
でも、そんあ蒸気機関車の中から、大阪に展示されていた、
C6120というものがまだ最も保存がよいとされ、
これを1年かけて走らせようということになり…。
その機関車を復活させるまでの記録を1年かけて、
山田洋次が追うというドキュメンタリーなのです。

今、その傷つき、さびて大変な本体が大宮の工場に運ばれました。
技術者11人が選ばれ、これを修復します。
皆さん、わからないことだらけだし、部品ももう作れません。
だから、さびて外せなくなったナットもバーナーで焼いてなんとか外し、またそれを直して使わなければなりません。
体全体のさびは、重曹水噴射でこそぎとり、傷とひびをチェック。
100以上の傷やひびがありました。
全てを解体し、全部を再生させて組直すのです。

と…吉永小百合さんが語ります。
超いいです!この朗読がまた…。

途中、蒸気機関車のメカニズムが図で解説されました!!
え~!!
石炭で燃やした火力で、本当に蒸気をつくり!!ピストン運動を車輪の動力に変えた!!!
誰が考えたの!?
なんて美しいシステム!!!
きゃ~ カッコイイ…



これは、Wikipediaから引いた図なのですが。
DVD の解説と図解は、ものすごくわかりやすかったです!


蒸気機関車のシリンダーが肺だとすればボイラーは心臓。
この大事な心臓部を大手術しなければ、修復は叶いません。

その修復ができる会社はもう日本にただひとつしかない!
だから、ボイラーは大阪に3日かけて車で運ばれました。

なんだか、塚本こなみ先生の藤の移植の話を思い出しました。
(塚本こなみ先生のお話は、プロフェッショナルにも出ています!)

すごい気圧や高温を受けてボイラー内部はボロボロ。
ここの社長は80歳です。彼が、コンピュータを使わずに、
からす口やコンパスを使いながら手作業で修復図面を書き上げます。
中の煙管を70本かな? 全て丁寧に抜いてみると…、腐食がすごい…。社長は茫然としながらも、60代70代の社員と共に
仕事にかかりました。

とてつもなく大きいネジみたいなリベットで、
きれいにしたボイラーの本体たちを繋げねばなりません。
これをできる人たちは、ここにしかいないのです!!
もう…プロジェクトXの世界です!

リベットを石炭に入れて燃やし、
76歳の職人さんが絶妙なタイミングで取り出し、
スピードチームプレイで大きな穴にそれを指し、
下から支え上から打って、リベットをたたき込みます。

700本のリベット全部を、その作業で入れてゆきます!

「鉄は熱い内に打て、とはまさにこのことです。」

吉永小百合さんが言いました。

さて、しかし!
せっかくリベットを700本打ったのに!
ボイラーに水を入れ、気圧をあげると…1.5気圧を越えてから、
水もれしてきます!

あ~!!あっちからもこっちからも吹き出します!
作業の皆さんは、ひとつずつそれを確認して、
溶接し直したり、丁寧に直してゆきました…。
気が遠くなる作業です。

そして、ーボイラーがこの会社に届いてから9ヶ月。
やっとボイラーが完成!!
ボイラーは大宮の工場に戻ってきました!
ピカピカの煙管。見違えるようです!!

そして、精密にシリンダー棒を水平にさして…。
全て手作業なのが、ジーンとします。

C61が大宮に来てから1年。
ついに、50トンもあるボディを車輪に乗せる日がきました!
皆、全てを手作業で磨き、やすったピカピカなパーツが
全部つながります!!

あぁ。感動する。

クレーンの芸術。ミリ単位で車体をどう輪にのせます。
前だけでも後ろだけでもダメ。余白がないから、
それぞれの担当者が譲り合って、車体を下ろさねばなりません。
すごいチーム力!

見事!ボディはきちんと車輪に乗り、
牽引車に引かれると車輪がぐるりと動きました!


石炭に火を入れ、最高気圧のチェックを行います。
そして、2011年2月。大切な作業、吹き試しをしました!

汽笛がなって…いっせいに蒸気が四方に吹き出します!!
37年間の休息から目を覚ました瞬間…涙でました。。。

うちのすずめの子も嬉しくて、
一緒に歌います!小鳥さんは汽笛と蒸気のふく音が好きなんです!



さぁ!いよいよ、試運転です。
牽引車に引かれて…到着。構内1.7キロを走ります。

石炭に火を入れて。



合図の汽笛!
「機関士が逆テンキを前方フルギアにし、カゲンベンを引きます。
シリンダーに蒸気が送られ、ピストンが動き出しました!」

語りが最高潮に盛り上がります。

走ります!!
成功です!!
機関車はただの鉄じゃない。人と近いんです。



さて、しかし、この物語はここで終わりませんでした。
この試運転成功が2011年2月。
やっと外を走ろうとした時に、大震災が来たのでした…。


それで、一時運転計画はストップ。
しかし、科学技術が最も信頼され、誇高かった時代の象徴として
この蒸気機関車を東北へ…という声が上がり。
それで、このC6120は、東北へ向かったのでした。



あの、復活の汽笛…涙がでました。
素晴らしくいいDVDでした。

素人の私にも、機関車の構造を教えてくれて。
なんてぬくもりのある乗物なんでしょうか。
人と一緒に走ってる感じで。
すごくよくできてて。音がいいんです。
石炭の焼ける音とか、ビストンが動く音とか。
あの走る時のリズム感とか。しゅっしゅって。生き物な感じ。
生きてます。で、汽笛がなると…なんか涙でる。

なんなのでしょう。
とにかく、うちのすずめの子もすごく蒸気機関車の音が好き!




蒸気が楽しいみたい。その音になると、必ず歌いました。
小鳥たちも、好きなんだなぁ、柔らかい音が。

結局、全部話しちゃった。
でも、やっぱり
観ないとわからないです!

今一押し作品。
ぜひ、ご覧になって下さい!

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