2012年10月12日金曜日

中西進先生の今日の講義!

今日中西進先生のご講義は
大津皇子の最期のお歌からはじまった。



「ももづたふ 磐余の池に泣く鴨を
今日のみ見てや 雲隠りなむ」




そんな夫 大津皇子の亡骸にすがりついて
后である山辺皇女は旬死する。

今日は、この山辺皇女と
後漢書 烈女伝に登場する文姫とを比較して ひとつの読み解きがなされた。

中西先生の思いの熱と相まって、
私は何度も泣きそうになった。

30年前、はじめて、その事柄に関する
読み解きの発見をしたという先生。

しかしその発見のカギは、
ほんの二文字の文言の違いから始まるのです。

観者皆歔欷 見る者たち皆すすり泣く
坐者皆歔欷 座る者たち皆すすり泣く

観者 なのか 坐者 なのか。
膨大な書物の中から、先生は、この二文字の違いに気づき
ひとつの比較文学の立場から、今日教えてくださった結果を導いた。

見ている者たちが皆すすり泣くなら、それは第三者的な目線。
座っている者たちが皆すすり泣くなら、それは当事者として
存在している時の目線。第三者なのか、当事者なのか。
そんな、二文字の違いから先生は今日のお話を導かれました。

なんたる....すごい。


学者さんってすごいな。。。


アメリカでずっと一年間、
引喩について考え続けた

とも、先生は今日はおっしゃっていたし。。。

先生の万葉集への情熱と愛は本当に深い。
それに圧倒されて、私たちも包まれる。

先生の授業はロゴスじゃなくて、パトスなんです!!



本当に素敵な先生。
これからも、先生のご本を読んで、
美しい日本人になれるよう頑張りたいです!

中西先生の万葉集にご興味のある方は
コチラへ http://www.manyoshu.jp/tokushu/index.html


☆本日の教科書☆

「中西進万葉論集 第三巻 万葉と海彼 万葉歌人論」
著者: 中西進

<書籍紹介より>
比較文学的研究が織りなす中西万葉学の世界
和辻哲郎文化賞に輝いた名著『万葉と海彼』は
比較文学の手法を駆使し世界文学としての
万葉集の本質を明らかにする。
また単行本未収録「万葉歌人論」を初めて集成



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