2011年3月21日月曜日

満月と大潮…、そして、節電稽古で知った刻々と変化する太陽光の雰囲気

美しい満月でした。
避難所の皆さんにとっても、なぐさめの夜空となってくれていたらと願わずにはいられません。

しかし、時、今は大潮。
地盤沈下してしまった地もあるとのこと…
この数日、この大潮が何事も起しませんように、祈ります。

あの日から一週間と2日が過ぎました。
桜月流は稽古を再開しました。
東北出身の者たちも多い稽古場。彼らは自らを奮い立たせていました。
でも、こうして集まり、ツルギを振るということが
今は何より心の動揺をしずめることのようでした。

皆さんも節電をしておられると思います。
私も部屋はインターネット灯りのみで、
暖房を消し、フリースの重ね着をしています。

稽古場でも、私たちは
同じように節電しながらの鍛錬につとめました。

午後1時から始まった稽古でしたが、
いつもは、昼間なのに電気をつけていたことに
改めて気がつきました。
昼間、蛍光灯をつけない稽古場は
いつもと何かが違う暗がり感がありました。
でも、全く支障なく稽古ができました。

きっと、江戸時代ならこんな光具合の
雰囲気の中で剣術の稽古をしただろうなと
私はふと思いました。

別に何の不足もないのに、
私たちは当たり前の様に電力を贅沢に使っていたんだなぁと…今更ながら、そんなことに気がつきました。
桜月流の舞台「衣川幻想」は、延期を致します。そのため、更にブラッシュアップされた最高の作品を
創造するために、全員が静かに集中していました。
画像を追加
夕方になるにつれて
部屋がだんだんと暗くなってゆきました。

日が刻々と移ってゆくことを
身体で知ることができました。

稽古場という部屋の中にいても
太陽の色が刻一刻と変化してゆく
のを、私たちは改めて知りました。

私たちが日々、いかに
何も感じずに淡々と無感動に存在していたか。

そう、思わされました。

暖房をきった稽古場は
外とはいいませんが、
かなり底冷えします。

マフラーしたり、
ジャージを2枚重ねたり。それぞれ工夫すればいいだけ。
私たちは、あまりにも電力を簡単に浪費し過ぎてこなかったか。
昔、地球の夜側の衛星写真を見た時、
地球に浮かんでいる日本が、日本地図そのまんまの形で煌々と光っていた。
夜も電力がいっぱい贅沢に使われているのが、宇宙からでもみてとれた。
コンビニもドラッグストアも目が痛くなるほど明るい。道という道も、高層ビルも、そして、自分の家も。
今思うと、安全という範囲を極度に越えて、電気がつき過ぎていた…。

私たちは、この地球災害を機に、もっと、電気やガスや水を、使いすぎないようにしなければ。
電気がないのは、本当に本当に困る。大切なライフラインだ。
でも、皆で分け合って、そこそこの電力でいい。いい、ということに気がついた。

稽古場の電灯をきってみると、刻々と変化する太陽光の雰囲気や、夕日や、月あかりやが
この上なく美しいものであることを感覚できた。
こういう感覚をなくしてしまった私たちは、美しかった侍の頃、王朝貴族の頃、万葉人の頃、縄文の頃から
どんどん離れ…、もはや、日本人ではなくなってしまうかもしれない。

贅沢とも思わずに贅沢をしていると、きっと大切な人間の能力を失ってしまう。
身体の能力は、心の能力。心と身体はつながっている。
心と身体をちゃんと使おう。そして、先人から受継いでいるはずの高い能力をちゃんと保とう。

そんなことを思った。

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