2012年5月2日水曜日

桜の木が突然切られた…哀しい…。

朝、いつものように家の近くを歩いていると…。
樹齢100年弱ぐらいの大きな桜の木が無惨にも
伐採さてしまっていた。

ほんの、先週まで、大きな大きな枝を広げて
桜が咲き散り、緑の青々とした葉が
わさわさと、きらきらと、していた。

ほんの、前日まで、大きく堂々と立っていた。
美しい桜の木だった。

私は、あまりの出来事に信じられず
しばし、そこに立ち止まってしまった。

地主さんの家だったのだろうか。
その大きな立派な木は、庭の柵を越えて道まで
わさわさと広がり、道ゆくすべての人々の心を和ませてくれていた。

そんな桜の木が、突然伐採されたのだ。

マンションにでもなるのだろうか。
となりのケヤキも二本切られていた。

業者の人が、何人もで木を切り、
クレーンショベルでその輪切りにされた幹や枝を
ぼんぼんと投げるようにトラックに投げつけている…。

私は、本当に動けなかった。
雀さんたちも沢山とまり、遊び、歌い、
花蜜の芯を嬉しそうに食べていたのに。

一夜で、こんなことになるなんて。

私は…居ても立っても居られずに…
そのトラックの前に行き、
「この桜の枝をわけて下さい」と言いました。

作業員の人々は手を休め、
「どうぞ、いいですよ。どの枝がいいですか?
下にあるのでもいいですよ。取り出しますよ。」
そうおっしゃいました。

作業員さんだって、切りたくて木を切ったんじゃないと思います。
それは、その声からもわかりました。

病気もケガもない、生命力に満ち満ちた桜の木でした。
桜の神様が宿っておられた、立派な大きなソメイヨシノでした。



私がもらってきたのは、この枝たちです。
元気に青い、小さな葉の柔らかい小枝が所々にありました。

私は、それを一本ずつ丁寧に摘み、
水にさしました。



樹齢…100年だったでしょうか。
80年かな…。

でも、私たちより、ずっとずっと長く生きてきた樹木です。
木が育つのには、時間がかかります。
ここまで育った木は、本当にもう神様です。
その木を…切って欲しくないです…。

植樹、植樹と言うけど、小さな木を植樹して
こんな大きな木を簡単に切って。
人の生きる様は、ままならないもの…。
哀しいです。

ドイツには、大きな木を切ってはいけないという法律があると
聞いたことがあります。

まずは、木を大切にして、切らない。
どうしても切らねばならない時は、
どこかへお金はかかるだろうけど植樹して植え直す道はないのでしょうか。

国も、それに助成してはくれませんか。

日本は森の国。
美しい桜の国。

樹木が酸素を出してくれなければ、私たち動物は皆死ぬのです。
だから、自分たちの命のためにも樹木植物は必要なのです。

それに。さらに。
植物たちは美しいです。
桜の花が、ケヤキの木が、緑の葉が、広げた枝が
醜かったことがあったでしょうか。

いつも、彼らは美しく、私たちの心を慰め
全ての動物たちに栄養と活力を与えてくれました。

彼らは、いつも私たちにいっぱいいいことをしてくれた。
大雨からは私たちを守り、地滑りを無くし、たくさんの
命を育んでくれた。

そんな木を、
そんな素晴らしい桜の木を…もう少し丁重に敬い残し
共に生きる道を模索することはできないのでしょうか。


いただいてきた桜枝の、緑葉を水に漬けて…
私は樹木医の塚本こなみ先生にすぐ電話をしました。

「先生、この葉の枝、土につくかな。植えたら、生きるかな…」

こなみ先生は、それは難しい…とおっしゃいました。
その枝は、別の用途に使ってあげたらいいですね、とおっしゃいました。

私は…涙が止まりませんでした。



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