2013年9月5日木曜日

吉田由佳 私が心から尊敬する琴の演奏家。自然と涙が出てくるような、そんな音色なのです。

私が彼女に出会ったのはまだ、彼女が保坂由佳だった頃。
結婚する前だった。

2000年に『源氏物語』という桜月流/O-Getsu Ryuの作品が縁で
出会った。彼女の琴の音色はあきらかに他の人それとは違っていた。

箏の琴と、十三絃。
それより太い絃で低い音域を出す十七絃も弾いた。

私が彼女の音楽に一目惚れして、
『SAKUYA』という2004年からのツアー作品の音楽監督を依頼した。

これは無言劇で展開する、ドラマのあるストーリー。
偉大なる師匠を持つ弟子が、
師匠の孫娘SAKUYAを邪悪なものに囚われ、
師匠の死をも体験し、地水火の世界での修行の果て、
SAKUYAを助け出すという物語だった。





右奥で、生演奏をしているのが由佳さん。
私はラストバトルの戦いを演じているシーン。

写真もたくさんあるのだけど、いま、手元にあるのが
これぐらいしか見当たらなかったけれど。懐かしいなぁ。


太鼓で有名な鼓動さんなどの
ヨーロッパ圏のエージェントをつとめる制作会社が
桜月流の担当だった、その和文化の筋道も味方となり、
SAKUYAツアーは、三万人を動員することとなる
一大ヨーロッパツアーとなり、私たち桜月流は由佳さんと共に
二ヶ月に渡って、オランダ・ベルギー・ドイツの主要都市をツアーした。




これは、チケット。



これは、私が舞台袖から撮ったもの。



これは、内藤忠行さんが撮ってくださった
火の精と、水の精のイメージショット。


最後に凱旋公演と言っていただいて、
東京芸術劇場にて、豊島区の主催で東京公演を行い...



彼女は、そのSAKUYAの東京公演を終え、しばしで
琴のアーティストを引退、結婚した。

あっけなく、本当に花も盛りの頃に、
彼女は突然、この世界からは消えてしまった。。。

あれから8年。
私は手術したばかりの、病院で、何度も由佳さんのことを考えていた。
私の剱舞の世界に、由佳さん音楽が必要だった。

私は手術をして、死と隣り合わせな瞬間を通過して戻ってきたので。
本当に健康は当たり前じゃないんだと痛感させられていた。
健康な時は、贈り物。
いいコンディションで動ける時に、思う存分走りたい。

だから、どうしても私は、
引退している彼女の心の門を叩くことを諦められなかった。







長い長い年月。
でも、そんな私のラブコールに応えて、
由佳さんが帰ってきてくれることになった!!!

由佳さん、戻ってきてくれた!!




そして、いま、一緒に稽古場で過ごせることの喜び。
心が通じ合うアーティストとこうして同じ時を過ごせる喜び。


由佳さん、スゴイです。
彼女の琴は、天から降ってくるシャワーのような響き。
かと思えば、修行僧のような厳しさで迫ってきたりする。

彼女の音楽は、演奏は、神さまに愛されている。
私はいつもそう思う。ずっとずっと聴いていたい、そんな音色です。



9/13(金)ー17(火)
桜月流/O-Getsu Ryu
『月のけはひ〜剱舞と賢知の出会うとき〜』

知の賢人=
宇宙物理学者の佐治晴夫、
宗教学者の島田裕巳、
樹木医の塚本こなみ、
縄文考古学者の小林達雄

日替わりでお迎えする 先生方との桜月流の宇宙的美剱舞の
知的エンターテイメント。

天王洲テラトリア

http://www.o-getsu.com/moon/



箏・十七絃琴 の、
吉田由佳さんの演奏もどうぞ楽しみにいらしてください!!

由佳さんの旦那さま、そして子供たち。
ご家族のご理解にも本当に感謝しています。




0 件のコメント:

コメントを投稿