でも、少し、何か書こうと思います。
言葉も、思考もまとまらないような一日を過ごして、
うちにいる すずめの子 の歌声と元気な様子を見ていました。
稽古場での私も、やっぱり最後まで宙に浮いたような状態のままで、稽古時間を終えてしまいました。
津波のあとは、泥と瓦礫ばかりで。
もう動かない水と、潮の匂いと、どこまでも果てしなく続く瓦礫には、
泥茶色のような濃い灰色のような言いようのない暗い色のフィルターがかかっていて。
緑も、きれいな海も、花もなく。ただ、空だけがきれいです。
美しい色をしているのが、
空だけです。
それが、とても哀しくて、
それが、とても異様で、
とても言いようのない不安を
もたらすもので。
その時は、そうとも思いませんでしたが、
今はそうだったんじゃないかと
感じています。
被災された方々のお心は、
絶対に誰にも計り知ることなどできません。
それだけは、わかります。
本当にたくさんの方々が、ふりしぼって復興への一歩に向かっておられます。
でも、普通は、考えることも動くこともできなくなってしまうはずです。
それなのに、とても少ないパンやおにぎりを分け合って、他の人の心配ばっかりなさっている。
私は東北の皆さんの美しい心に、ずっと打たれていました。
きっと古代日本人に近い人々なんだと思います。
レクイエムを歌いました。
本当にたくさんの方々が犠牲になられました。言葉になりません。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。
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